夏猫の散歩道

散歩写真とか閑文字とか

散文

晩夏桔梗

旧暦水無月。大暑もまわり、もう晩夏ですね。 生ぬるい夏の風にセミの声が、妙に心地いいのが少し不思議です。

静夏

遠くできこえる蝉の声はうるさいはずなのに、とても静かな場所なのでした。

夏汐に逢いたくて

夏になると海のにおいが恋しくなります。 潮が「朝」のもので、汐が「夕」のものだと先日知りました。なるほど、言葉ってすごいなあ。 私は朝の海も、ゆうやけこやけな海も好きですが、遅い昼の海も好きなのです。でもこれって汐・・・ってコト!? 違います…

荒野を夢見たことはありますか?

耕作地を大きくカーブした道の向こうには、 そこにはただただ「コウヤ」が広がっているようでした。それは西部劇で見るような広大にして荒涼とした空間ではありませんでしたが、荒野にして広野と呼ぶには十分に思えます。 どうやら昔は田畑だったのではある…

記憶にあるはずが無い懐かしい風景を

あてもなくドライブする目的があるとするならば それは、夏かしい風景を探しているからなのかもしれません。私の記憶にあるはずのない風景。それでも心にはある風景。 記憶にない風景とは、忘れているということではありません。いままで一度も経験したこと…

初夏の人工湖にはペリドットと夏の予感

早苗は日の光の中、ペリドットのように透明だった 向こうには、新幹線の高架橋が見えていました。 この時期、水田の里には、人工の湖が出現します。その水面の煌めきに魅了されて、貴方が近づいたとしたならば、今度はそこに可愛らしい萌黄色の早苗たちを発…

海の色って、どうやって伝えましょうか?

モノクロフィルムで海を見る カラーで撮れば、いいではないか。とは、言わないでください。それで物語は、終わってしまうのですから。 スマホで撮って加工したら、いいではないか。とも、言わないでください。白黒フィルムを自分で現像している時間が、好き…

影は幻影(3)

桜の海をさまよう、そんな日でした その日は桜を求めて、どこまでも歩いていたい気分でした。空気は清浄だったと思います。桜の木には、なにか浄化する装置でも内蔵されているのかしら? どこまでも歩いていると、そこはどこにでもあるような、でもどこでも…

アモルファスとガラスとミスリルと

ガラスは固体か液体か 私はガラスを写すのが大好きです。 なにかのなにかでガラスは液体だと聞いた気がするのですが、先日アモルファスだという文書を目にしました。アモルファスという言葉をはじめて聞いたのは高校時代のことでした。 引用元:Wikipedia (…

あたら桜のとがにはありける

桜はただ咲くだけのもの ことしは桜がはやいそうです。 こどもの頃には容易に作ることができた「かまくら」も、年々雪が少なくなり今ではなかなか難しくなってきました。桜も(私の中では)ゴールデンウィーク頃に咲くものというイメージがありましたが、今…

やさしくされると切なくなる

天気の話。冷たくされると泣きたくなる 今日の最高気温はプラス16℃、最低気温はマイナス3℃。高低差は19℃。これに花粉症が合わさってカラダの調子はイマイチです。 しかしこの寒暖差は必要なことなのですね。たぶん。 野菜や果物の甘さが増すでしょうし、害虫…

残滓のさらにカケラ、それをすくう「ポイ」

縁日の金魚すくいに、濡れたポイ 桜はまだ咲いてはいませんが、雪が溶けとうとう春がやってきました。 むかしむかし、私がまだ子どもの頃のことでした。 春彼岸のお墓参りの日には、お祭りでもないのにお寺の門前に屋台が数軒並んでおります。流石に食べ物屋…

3.11、ぼくらはタイムマシンが欲しかった

タイムマシンもしくは時間を戻せる魔導書を 東日本大震災、2011年3月11日から十二支が一巡し、また卯年がやってきました。 先に進まねばならないのは、誰しもがわかっているのです。みんな普段は日々を一生懸命に生きている。 落ちる砂時計の砂が上に…

線路沿いにはウインクを

線路と交差する坂道を 私の町に、鉄道駅はありません。 ですので小学生までは、駅とはバス停のことでした。線路や踏切は、子どもが歩いては行けない距離にあります。それでも私にとって鉄道という言葉は、不思議と懐かしさを伴う音色でした。 ある日の雨の夜…

残されなかった写真。ブログの序章に代えて。

残されなかった写真 あれは小学校の夏休みでしたから、ずいぶんと昔のことになります。 今もあるかどうかはわかりませんが、当時は地域の父兄生徒からなる子ども会で、夏休み海に行くのが恒例となっておりました。あの頃の私は毎年繰り返されるそれがそれほ…